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知っておこう!嚥下障害

知っておこう!嚥下障害

暑さも本格的になってきたこの頃。皆さん、しっかりご飯を食べられていますか?
中には「年々食が細くなって、季節関係なくあまり食べられないかも…」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。食事・栄養が摂れなくなる=生命維持に関わること。
いつまでも美味しく、楽しい食事ができるように、今回は「嚥下障害」について考えていきます。

嚥下障害とは?

嚥下」とは、①飲食物を認識し②口に取り込んで飲み込みやすくし③口から喉へ④喉から食道へ⑤食道から胃へと送り込む、5つの過程を指します。
この過程のどれかに異常が起こることを「嚥下障害」といいます。嚥下障害になると、飲食物を摂取することができなくなることにより脱水症や栄養不良、食べる楽しみの喪失に繋がります。また、飲食物が誤って肺に入ることにより、誤嚥性肺炎という疾患を引き起こすこともあります。

嚥下障害の原因は?

嚥下障害は先天的な問題や障害によって生じることもありますが、高齢者の嚥下障害のほとんどは後天的な問題であり、食べるために必要な器官に構造的な問題が起こったり、他の疾患に合併する形で引き起こされます

近年では、脳卒中を起こしていない高齢者の嚥下障害が増加しています
加齢により心身の活力が低下した状態(フレイル)になっていたり、筋肉量が減少していくのが原因となります。
歩けなくなったりつまずいたりすることと同じように、飲み込みにくくなったり誤嚥性肺炎を発症したりします。つまり、嚥下障害は年齢を重ねるに伴って誰にでも起こりうる障害といえます。

嚥下障害の症状は?

物が飲み込みにくい    ・食事中によくむせる
食事に疲れてしまう    ・のどに食べ物が残る感じがする
口から食べ物がこぼれる  ・口の中に食べ物が残る
痩せてきた         ・声がかすれてきた         など

上記のような症状が出てきて、少しでも不安に感じたら医療機関で受診しましょう

嚥下障害を予防するために

摂食嚥下機能は個人差もありますが、50歳前後から低下し始めるといわれます。
急いで食べたときなどに食べ物がのどにつかえる・むせることは、年齢にかかわらず起こる可能性があり、若いうちは強くむせることで誤嚥を回避することができます。

年齢を重ねていくと、徐々にむせる力も弱くなっていくため誤嚥のリスクは高まり、誤嚥性肺炎を引き起こしたり、窒息といった命にかかわる事態を引き起こしかねません

自分には関係ないことと思わず、家庭でできる予防を、早期から始めてみましょう!

口周りの体操

首・頬・舌など口周りの体操を行うことで、筋肉が解れ、食べるために必要な筋肉を鍛えたり、柔軟性を高めたりすることができます。また唾液線のマッサージをすることで唾液の分泌を促進することができます。

舌は食べ物を噛むためにも、飲み込むためにも重要な器官です。
舌はそのほとんどが筋肉でできているため、このような体操が有効的です
 ①口を大きく開けて舌をできるだけ出す。
 ②舌の先を鼻につけるように上に向ける。
 ③舌を左右に向ける。(10回程度、無理のないように注意する)
 ★どの方向も、舌先をできるだけ遠くに向けるように動かすのがポイント!

前後、左右、上下に加えて旋回運動ができることで、正常な摂食嚥下機能が維持できます。

口腔ケアを意識する

適切な口腔ケアは虫歯や歯周病を予防するために重要なだけではなく、口腔内の細菌を取り除き、衛生的に保つことに役立ちます。ブクブクうがいは口腔内の食物残渣(しょくもつざんさ)を洗い流し、頬の筋力を維持する運動としても役立ちます
さらに、歯ブラシなどで口腔内を刺激することで唾液の分泌を促進するなど、嚥下障害の予防と誤嚥性肺炎のリスクを低減する効果が期待できます。

食事の内容に注意する

食事の内容や形状を調整することで嚥下障害による誤嚥のリスクを低減することができます。

嚥下障害の原因や状態によっても異なりますが、一般的には、かたくてパラパラと口の中でまとまりにくいものや、パサパサしたもの、薄くて口の中に張り付くもの、ベタベタしたもの、液体などが食べにくいとされています。
摂食嚥下機能に応じて食べやすい大きさに切ったり、隠し包丁(わかりにくく切り込みをいれる)をいれる、つぶす、水分や油分を加える、とろみをつける、ゼリーにするなどの工夫で、安全に食事を摂ることができるようになります

適切な料理の温度

嚥下は体温と料理の温度差が大きいほど嚥下反射が高まります体温と料理の温度差が20℃程度がベストなので、適切な温度の料理を出すようにしてください。
また、料理の温度は食欲にも影響します。冷たい方が美味しいものは冷たく、温かい方が美味しいものは温かく、美味しく食べられるようにしましょう

食事の際の環境や姿勢に注意する

食事を食べる場所は、明るさや室温、騒音などに配慮し、落ち着いて食事に集中できる環境を作りましょう。食事の間は安定した座位が保てるように工夫し、食事の内容がよく見えて食べやすいように、イスやテーブルの高さや座布団やクッションなどを調節します。

基本的な食事姿勢は無理のない範囲で上体をしっかりと起こし、あごを軽く引いた姿勢が誤嚥しにくいと考えられています。

食べ方に気を付ける

慌てず、ゆっくりと食べましょう
テレビを見ながら、新聞を読みながら、などの「ながら食べ」はやめて、食事に集中しましょう
食べやすいひと口の量には個人差がありますが、口の中いっぱいにほおばったり、かき込んで食べるのはNG。ひと口ずつをよく噛むように意識し、口の中の食物を飲み込んでから次のひと口を入れるようにします。よく噛むことで認知症予防にもつながります
形状の異なるものを交互に食べたり、食べ物の間に汁物や飲み物を挟みながら食事を進めましょう。

嚥下障害になってしまうと、楽しみである食事も満足にできない上に、栄養失調になってしまう恐れもあります。

嚥下障害の原因や程度によっては、手術を行わず、リハビリで症状改善を目指します
食べるために必要な筋肉のストレッチや筋力トレーニング、実際に食べながら行う訓練など、その方の症状に合わせて進めていきます

食べることが好き!」「美味しいものを食べている時が幸せ!」という方も多くいると思います。
生涯楽しく食事ができるように、今から予防を意識してみましょう!

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