「どっこいしょ/よっこいしょ」は魔法の言葉だった?!
立ったり座ったり、何か動作をする際に、ついつい「よっこいしょ」「よいしょ」「どっこらしょ」などの掛け声を口にしてしまう方がいらっしゃるのではないでしょうか。
今回はそんな「よっこいしょ」について、考えてみたいと思います。
そもそも「よっこいしょ」の語源は?
「よっこいしょ」の語源はいくつかありますが、そのなかの1つ「六根清浄」から来ているという説をご紹介いたします。
「六根清浄」あまり耳にする事がない言葉ですね。「ろっこんしょうじょう」と読みます。
六根とは「人間の知覚である視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感に、意識や心を加えた六感」のことで、六根で感じる私欲や煩悩などを絶ち、心を清らかな状態にする、という仏の教えだそうです。
修験者が山を駆け上がる時、「ろっこん〜しょうじょう〜」と、掛け声を上げて登っていました。これが転じて日常で力を入れるときに使われるようになった、と言われています。
また六根清浄は、略して「六根浄(ろっこんじょう)」とも言い
ろっこんじょう→ろっこんじょ→どっこいしょ/よっこいしょ、となったと言われています。
力を入れるには持ってこい!魔法の言葉「よっこいしょ」
「よっこいしょ」は、筋肉と脳の両方面に作用すると言われています。
人は、息を吸いながらでは力が入りにくく、息を吐いている時や止めている時に力が入れやすくなります。
動作を行う時に「よっこいしょ」と言うことによって、自然と息を吐くことができます。それによって、無駄な力みが排除され、無意識に、必要な力であるお腹の筋肉(インナーマッスル)に力が入るので、体幹が安定して腰の負担が減ります。
また、「よっこいしょ」と発することで、脳内では次の行動への準備が行われます。
脳の一部分である「前頭前野」は、物事を考え判断する・アイディアを出す・何かをする時の「良い悪い」を調整してくれる役割などを担います。要するに、動作時に「様々考える(調整)」を行います。
「よっこいしょ」を始めとする色々な掛け声は、この「前頭前野」の働きを抑える事で、余計な考えを減らして、運動に集中でき、動きを良くしてくれます。
テニスでボールを打つ時や、ボクシングでパンチを出す時など、スポーツをしている時に掛け声をかけますよね?これらはすべて、体をより上手く力強く使うために掛け声を出しているのです。
つまり、「よっこいしょ」など掛け声を発する事は
①体幹が安定して力が入れやすくなる
②脳も身体も次の動作を把握する事で、その動作に集中でき、ケガ防止に繋がる
という理にかなったものだったのです。
魔法の言葉だけど…体の動かし方も大切
「よっこいしょ」は理にかなったものですが、それだけで絶対にケガをしない、というわけではありません。やはり、身体の動かし方・使い方が悪ければ、体を痛めてしまいます。
例えば荷物を持ち上げるとき、足は曲げずに腰だけ曲げて持ち上げたり、椅子から立ち上がる時にも腰を大きく丸めて支えなしに立ち上がったり、こういった動かし方はいくら「よっこいしょ」と言っても、腰痛を起こしてしまうことがあります。
腰だけではなく、頻繁に同じ箇所を痛めてしまう、という方は、身体の使い方そのものを見直す必要があるかもしれません。
立ち座りがスムーズにできない、いつも同じ箇所を痛めてしまう、などのお悩みは「年だから仕方ない…」「病気だから仕方ない…」と諦めずに、ぜひ弘前リハビリーセンターにご相談ください!